誰かに教えたくなる蔵物語

   日本語   |    English

誰かに教えたくなる蔵物語

今回のくまもとの酒カンパイキャラバンには出品できませんでしたが、堤酒造には秘蔵の焼酎があります。その名は「極上堤」。10年以上もシェリー酒樽のなかで熟成された減圧蒸留の焼酎は、まるでブランデーのような濃い色がついています。実は焼酎は酒税法の規定で過度の色づけを禁じられています。ウイスキーなど洋酒との差別化のためです。しかし、酒蔵として長年熟成させた製品を薄めるのは本意ではありません。堤酒造は試行錯誤の末、味や香りの変化を最低限に抑える「デキストリン(食物繊維)」を入れる技術を編み出しました。分類は本籍の本格焼酎は名乗れませんので現住所はリキュールとなります。それでも、本格焼酎と変わりない味わいを楽しめます。「極上 堤」は一つの樽からビン詰めをするシングルカスクと呼ばれる製法で、樽の番号によって微妙に味の違いを感じることもできます。米焼酎とシェリー酒の甘みの融合は、ぜひストレートで。堤酒造はこのデキストリン製法の製造特許を持っていますが「球磨焼酎業界のためになるなら他の球磨焼酎の蔵で使ってもらっても」と堤副社長は話します。球磨焼酎のいくつかの蔵元でも色の濃い樽焼酎を出していますので飲み比べを楽しんでみてはいかが。

販売会イベント